「レ・ミゼラブル」30周年スペシャルウィーク 観劇報告
今日は帝国劇場へ「レ・ミゼラブル」を観に行ってきました。
30周年記念スペシャルウィークという事もあり、劇場は熱気がすごかったです。
私がレミゼを初めて観たのは新演出版になった2013年の名古屋公演なので、旧演出版は知らないのですが、歴代の出演者の方々を見ると歴史を感じます。
初演は私が小学校6年生くらいの頃なんですね。
うちの家族はミュージカルとかお芝居とか全く興味がないので、私も子どもの頃はミュージカルに触れる機会もなく、当然レミゼなんて知りませんでした。
さて、今日は帝劇で初めて最前列の席でした!
帝劇は意外と舞台が高い位置にあるんですね。最前列だと見切れてしまう部分が結構ありました。
後は上手の端の方の席だったため、1幕最後の「One Day More」の場面で、センターにいるアンジョルラスとマリウスたちが手前のジャベールの影に完全に隠れてしまって見えませんでした(ノ_<。)
上原理生くんのFC枠で取ったチケットで、アンジョが一番かっこいい場面が見えないのがちょっと悲しかった・・・
とはいえ、やはり近い分臨場感があり、出演者の表情もよく見えて気持ちが伝わってきやすいですよね。
涙腺緩みまくり(笑)
レミゼを最前列で、いい経験をさせてもらいました(*^-^*)
2年前とまた少し演出や衣装が変わっている部分もあったようですね。細かい部分は覚えてませんが(^_^;)
全体的にストーリー展開が早くなってました。ちょっと忙しいかな?
今日のプリンシバルキャストは、福井晶一さん(ジャン・バルジャン)、川口竜也さん(ジャベール)、二宮愛さん(ファンテーヌ)、唯月ふうかさん(エポニーヌ)、海宝直人さん(マリウス)、清水彩華さん(コゼット)、橋本じゅんさん(テナルディエ)、谷口ゆうなさん(マダム・テナルディエ)、上原理生さん(アンジョルラス)、大西統眞くん(ガブローシュ)、山崎瑠奈ちゃん(リトル・コゼット)、禾本珠彩ちゃん(リトル・エポニーヌ)でした。
今回はスペシャルカーテンコールのことも書きたいので、キャストの感想はプリンシバルキャストだけにしておきますが、アンサンブルの皆さんも本当に完成度が高く素晴らしかったです!
ジャンバル・ジャン役の福井晶一さん。
2年前からさらに進化し、牢獄から出たばかりのジャンバルジャンの鬼気迫る表情から、司教様に出会ってわが身を恥じ心を入れ替えて生きて行こうと決意する場面への心境の変化がすごく納得できる演技。
それから、今まで泣いたことのなかった「Bring Him Home」で初めて泣きました。愛しい娘コゼットの幸せを願い、先の短い老いた自分を思い、若いマリウスにコゼットを託そうと決意したことが歌を通して伝わってきました。
ジャベール役の川口竜也さん。
2年前よりさらに強い信念を持ったジャベールになっていたように思います。
それゆえジャベールが今まで信じてきたものを失った時の我を見失ってしまうほどの恐怖と不安が際立ちます。
強い信念を持った人がそれを失った時は本当にもろいものです。
言い方が悪いかもしれませんが、自分が抱える不安や恐怖心を覆い隠し自分を支えるためにそこにしがみ付いているわけですから、しがみ付くものを失った時、信念が強い人は死ぬほど恐ろしい思いをするのです。
そういう意味では、ジャン・バルジャンも一緒ですね。
司教の教えを守り、ファンテーヌとの約束を守り、コゼットを幸せにすることを信念としきたバルジャンもコゼットが自分の元から離れた時、死を迎えるんです。
原作では、バルジャンがコゼットと離れてから生きがいを失って、急激に弱っていく様子が克明に描かれています。
ジャン・バルジャンとジャベールの大きな違いは、人を許し信じることができたかどうかですね。
バルジャンは司教様との出会いで大きく心境が変化し、今までひどい扱いをしてきた人たちのことをも許し、人々の信頼を得て市長にまでなり、コゼットの信頼と愛情を得て最後は心穏やかに死を迎えることができています。
ジャベールは法律のみを自分の信念とし、思い込みも強くてなかなか考えを変えることができなかったために、時間と共に精神的に大きく成長したバルジャンを前に恐怖を感じたんでしょうね。
ファンテーヌ役の二宮愛さん。
歌声も美しく、可憐なファンテーヌです。
どうみても信頼できないような相手に安易に娘を預けてしまうような世間知らずなお嬢さんが転落していく、原作のファンテーヌのイメージに近い気がしました。
エポニーヌ役の唯月ふうかさん。
とてもかわいらしいエポニーヌ。
テナルディエ夫妻の娘なのでもう少し泥臭さがあってもいいかなとは思いますが、貧しさの中で必死に生きている雰囲気とマリウスへの切ない思いがよく伝わってきます。
マリウス役の海宝直人さん。
その場がパッと明るくなるような華のあるマリウスです。2年前に観た時より力強さを感じました。
コゼットに恋をしてからの一人で盛り上がってしまってマリウスのエポニーヌなんかまったく眼中にない感じや、革命なんてどうでもよくなっちゃった感じがいいですね。その後、コゼットが遠くに行ってしまうと知った後の絶望ぶりも。
それから革命に失敗して仲間が全員死んでしまった後、コゼットを失うのなら死んでもいいと戦いに参加した自分だけが生き残ってしまったことへの後悔と虚しさが伝わってきて、マリウスっが一人で歌う場面で初めて泣きました。
コゼット役の清水彩華さん。
初めての恋に浮き立つ気持ちとそれに戸惑うコゼットがかわいらしいです。
歌声もきれいですし、2年前より無邪気さと強さが増した気がします。
テナルディエ役の橋本じゅんさん。
橋本さんのテナルディエを一番楽しみにしてました。橋本さんは名古屋公演には出られないので今日観られて良かったです♪
なかなかアドリブを入れづらいレミゼという作品の中でも、しっかり橋本さんらしさが出ていて今までにないテナルディエになっていたと思います。
表面上は道化を演じながらしたたかに生きているように見えるけど、どこか哀しさも感じさせる奥深い演技でした。
ジャン・バルジャンがコゼットを連れて行って大金が入った後、喜んで妻をを押し倒しちゃうのは初めて見た気がします(笑)
マダム・テナルディエ役の谷口ゆうなさん。
今回足をけがしてなかなかお稽古にも参加できない状態が続いていたとのことで心配していましたが、そんなことは感じさせないくらいパワフルなマダム・テナルディエでした。
したたかさと憎たらしさの中にもどこかかわいらしさも感じさせる役作りがいいですね(*^-^*)
アンジョルラス役の上原理生さん。
力強く熱いリーダー。その鋭いまなざしには仲間をまとめる責任感と覚悟が感じられます。そして優しさも。
歌の安定感も相まって、これなら皆ついて行くだろうと納得できる仕上がり。かっこいいですよ(*´˘`*)♡
私が原作を読んだ時にアンジョーラ(原作ではアンジョーラになっているのです)について感じたことは、武士道の精神を持った人物だなという事でした。西洋なら騎士道と言った方がいいのかな?
死ぬ覚悟を決めた仲間たちのために、自分も闘いながらそれぞれ立派な死に方ができたか確認し、最後に自分が首謀者だと名乗り出て壮絶な最期を遂げるアンジョーラがまさに武士だと。
新演出版では最後に死ぬのはアンジョルラスではないのですが、武士の精神は上原くんのアンジョルラスにも感じられる部分がありますね。
今回はここまでにしておきます。
次に私が観る予定の名古屋公演の頃までにはレミゼカンパニーもさらに進化しているんでしょうね。楽しみです♪
本編が終わった後15分の休憩があり、50分間くらいスペシャルカーテンコールがありました。
歴代キャストがゲストとしてずらりと並んで登場。
岸さんは現ジャベール役ですが、今日は歴代アンジョルラス役として参加されてました。
情報によるとスペシャルウィークは日によってやることが違うみたいですね。
歴代キャストと現キャストとで「One Day More」の歌唱で始まり、今日はゲストの皆さんへのインタビューを岡幸二郎さんがやってらっしゃいました。
その後、歴代ジャベールの村井國夫さん、鈴木綜馬さん、今拓哉さん、今井清隆さんの4人で「Stars」を歌ってくれました。多少揃わない部分はありましたが、貫禄のある歌声に鳥肌が立ちました。
そして、レ・ミゼラブルの脚本家やプロデューサー、ブラジル公演キャスト、ロンドン公演キャストそれぞれから送られたビデオレターの放映があり、ニューヨーク公演でエポニーヌ役をしていたブレニン・ラークさんからお祝いの言葉と「On My Own」の歌唱がありました。パワフルな歌声と切ない気持ちが伝わってきて感動!
新演出版しか知らない私でも、十分楽しめました。楽しかったです♪
今後の観劇予定は、8月に「Rent!」を観に行き、10月にレミゼ名古屋公演を3回観る予定です。