『レ・ミゼラブル』御園座公演 2回目 観劇感想

2022年10月11日

今日はレミゼを観に御園座に行ってきました。御園座は今期2回目。

先日はB席で2階席でしたが、今回は1階8列(オケピがあるので実質4列目)の下手側でした。

2階席では人の頭が邪魔になることもなかったですが、1階席はやはり前に座高が高い人がいると見づらいですね。

でも、舞台との距離が近くて、実質4列目でも帝劇の最前列で観た時と同じくらいの近さに感じました。

距離が近い分、今まで気づかなかった新しい発見もたくさんありました。

プログラムを見れば、本役以外ではどの場面でどんな役をやっているかは書いてあるんですけど、どの位置で何をしているかまではわからないんですよね。他の方々の報告を見たりして、実際に自分の目で確認できると嬉しいものです。

例えば、工場の場面で下手側でマダム・テナルディエとエポニーヌとコゼットが並んで座ってファンテーヌに冷たい視線を送ってたり、アンジョルラスがファンテーヌをあざ笑ってたり、1幕ではガレー船の囚人でマリウスもアンジョルラスも出てるし、マリウスがジャベールの部下役や浮浪者役をしてたりするのを見つけると「見~っけ!!」って心の中で喜んでました(笑)

あと今まで気づかなかったんですけど、バルジャンがリトルコゼットを引き取りに行く場面でマダム・テナルディエがシューシューやってた香水は、宿屋の場面でマダム・テナルディエが客から盗んだ物だったんですね。

宿屋の場面であんなにはっきり分かりやすく、しかもセンターで、マダム・テナルディエが酔っ払い客から香水を取り上げるところをやってたのに今まで気づかなかったなんて私はいったい何を見ていたのでしょう?(笑)

それから、アンサンブルの皆さんの細かい演技で役名のない市民たちそれぞれの思いが伝わってきて、改めてレミゼは群像劇なんだなと思いました。一応主役はジャン・バルジャンになってますけど、登場人物すべてが主役というべき作品だと。
ではここからはまたメインキャストの方々の感想を書いていこうと思います。

ジャン・バルジャン役の吉原光夫さん。

帝劇で観て以来2回目です。前回観た時はとても丁寧に丁寧に言葉を紡き出すように歌い演じていましたが、今日は役として気持ちが動くままに素直に演じている感じで、吉原さんらしいとても熱いバルジャンになってました。

司教様と出会った後の『独白』では、せっかく自由になれたと思ったのに周囲から冷たく突き放されて心が荒んでまた罪を重ねようとした自分を恥じ、苦悩するバルジャンの思いが心に突き刺さってきました。

ジャベール役の上原理生さん。

上原ジャベも組み合わせは違いますが帝劇で観て以来2回目。

帝劇で観た時はレミゼの初日が明けて間もない頃で、その時は勢いで突っ走ってしまっている印象がありましたが、だいぶ余裕が出てきたのか今回は1場面1場面をより丁寧に演じているのが感じられました。
前回、法廷の場面では悔しそうに歯をかみしめているように見えた上原ジャベのニヤリは、今回は口を閉じたまま片方だけ口角を上げてニヤリと笑う形に変わってました。もしかして、だれか関係者がこのブログ見たのかしら?(笑)

『Stars』も前回は歌うというよりジャベールの思いを吐き出しているような印象でしたが、今回は星に祈るようにそして力強く歌い上げていました。

吉原バルジャンとの対決は迫力満点でした!

ファンテーヌ役の濱田めぐみさん。

帝劇で1回、御園座で2回目の計3回目の濱めぐさんのファンテーヌ。

たとえ自分は地獄に落ちてもコゼットだけは護りたいという強い思いが感じられるファンテーヌです。

ファンテーヌにバマタボアが絡むシーン辺りから、はっきりとファンテーヌが病気だと分かるような咳をして見せています。

原作ではたしか結核か何かだったはず。

エポニーヌ役の屋比久知奈さん。

屋比久さんは帝劇で2回観て今回で3回目になります。

何もかも諦めたような投げやりな雰囲気があり、マリウスへの思いだけで生きているような感じで前回よりも切なさが増している気がしました。歌声も帝劇で観た時より力強さが増してたように思います。

マリウス役の海宝直人さん。

帝劇からここまで全部海宝くんだったので4回目。私が海宝マリウスを観るのはこれで最後です。

海宝くんがマリウス役は今年が最後と公言したようですので、今回は初めての恋に浮かれるマリウスのキラキラ感から、砦で苦悩したり自棄になったり、死んだ仲間を思って悲しんだりしたのち、これからはバルジャンに代わって自分がコゼットを幸せにするんだと覚悟を決めた後の強い眼差しまでしっかり見届けてきました。そしてバイト(本役以外の役のことをそう言うんだそうです)も。

海宝マリウスは心の動きがとても分かりやすく表現されていて、歌声もいいんですよね。

また海宝くんのマリウスを観て、原作にあるようなアンジョルラスたち学生グループとマリウスの革命への思いの違いを感じることができた気がしました。

コゼット役の生田絵梨花さん。

華がありとてもかわいらしく歌声もきれい。2年前に観た時より歌もさらにうまくなってたように思います。

キラキラの海宝マリウスと相性も良く、かわいらしいカップルに見えました。

でもかわいいだけでなく、落ち着きのあるしっかり者の面も垣間見えたりして、魅力的なコゼットに仕上がっていましたね(^^)

アンジョルラス役の小野田龍之介さん。

帝劇と御園座で1回ずつ観て、今回は3回目。

今日も安定感のある歌声、革命に燃える熱いアンジョルラスでした。

マリウスが初めての恋に浮かれているのをみて「気持ちはわかるけど」とは言いつつ、革命のことで頭がいっぱいで分かってない感じとか、飲んだくれのグランテールに冷たい視線を送ってたりとか、マリウスやグランテールとの距離感が良かったです。

あと、ガブローシュが撃たれた後の落ち込み具合に毎回切なくなりました。

次回の公演でもぜひまたアンジョルラスをやってほしいですね。

今日のテナルディエ夫妻は共に愛知県出身のお二人、駒田一さんと鈴木ほのかさんでした。

駒田さんのテナルディエは帝劇以来2回目。

駒田さんの泥臭い演技、殺しても死ななそうな根性と図太さが感じられるテナルディエが好きです♪

鈴木さんのマダム・テナルディエは今期初めて。

パワフルでいつも悪知恵を働かせてそうな、それでいて愛嬌があって憎めないマダム・テナルディエになってました。

駒田テナともいいコンビでしたよ♪

さて、今日のマチネで御園座千秋楽を迎えたのが、濱田めぐみさん、鈴木ほのかさん、小野田龍之介くんでした。

3名を代表して愛知県出身の鈴木さんがご挨拶。言い回しが違うところはあると思いますが覚えている範囲で書きます。

「私は名古屋では最初コゼット役で・・・あ、やっぱりここで笑いが来るんですね。この笑いも快感になってきました。コゼット役で中日劇場に立たせていただき、2年前にはマダム・テナルディエとしてもやらせていただきました。その中日劇場でも客席が近いと感じていましたが、今回初めてこの御園座でやらせていただいたのですが、さらに客席と舞台が近くて、偽りの芝居をしたらすぐお客様に伝わってしまう怖さがあります。あ、決して偽ってはおりませんよ。毎回真剣にやっております。

でも、その分お客様の反応がダイレクトに伝わってきて、やりがいを感じておりました。皆様、本当に熱いご声援をいただきありがとうございました。この後、大阪、博多、札幌とツアーはまだまだ続きますので、よろしければまた観にいらしてください」

ということで、プリンシパルキャストのうち前回の観劇でバルジャンとジャベールをコンプしたのに引き続き、今日でコゼットとマダム・テナルディエをコンプしました♪

私の今年のレミゼ観劇も残りあと1回。My楽で、やっと斎藤さんのテナルディエが観られる。楽しみです♪