レ・ミゼラブル 名古屋公演 観劇感想
ミュージカルを観るが大好きなのに、なかなか観に行けず、フラストレーションがたまっていたところに”おけぴ”さんから『レ・ミゼラブル』名古屋公演の割引チケット情報が来て「何でもいいから観たい!」とすぐに申し込み、本日観てまいりました。すいません、「何でもいいから」と思ってしまうほど飢えてたんです・・・(^^;
実は以前から『レ・ミゼラブル』は気になってはいたものの「内容が重そうだなぁ」と食わず嫌いになっていました。
今年『レ・ミゼラブル』の映画が話題になっていましたが、それも観ていないんです。
だから、私にとっては本当に初『レ・ミゼラブル』!!
この機会がなかったら私がレミゼを観るのは、もっと先になってたかも。
食わず嫌いだったくせに、観に行くことが決まってからはストーリーなどをしっかりチェックして楽しむ気満々(笑)
今日のキャストは
ジャン・バルジャン 福井晶一さん
ジャベール 川口竜也さん
エポニエール 笹本玲奈さん
ファンテーヌ 知念里奈さん
コゼット 青山郁代さん
マリウス 山崎育三郎さん
テナルディエ 萬谷法英さん
マダム・テナルディエ 谷口ゆうなさん
アンジョルラス 杉山有大さん
他のキャストについては、劇場入ったところに「今日のキャスト」として表示されてたようなんですが、人だかりができていて、よく見えず確認できませんでした。
さて、観た最初の感想は・・・?
全体的に照明が暗めなので2階席からだとちょっと観ずらかったけど、「観に行ってよかった!」と心から思える素晴らしい舞台でした。人気があるのがわかる気がします。
というか、嵌ってしまった!もっと観たい!
本当は役替わりも観て、それぞれの特徴を語りたいけど、今はちょっと無理だなぁ・・・
新演出とのことですが、私は今回初めての観劇なので、当然オリジナル版は知りません。でも、映像を使った演出は面白かったですし、ストーリーはうろ覚えだった私でも非常に分かりやすかったです。
かなり大所帯のカンパニーだと思うのですが、一人一人個性を出しつつも、すごくチームワークがしっかりしてるなぁと感じましたし、出演者の方々は皆、歌も演技も安定感があって、こちらも安心して観ることができました。
レミゼは、対照的な人物が何組か存在していて、その対比が面白いと思いました。
ジャン・バルジャンとジャベールの友情ともつかぬ微妙な関係。フォンテーヌから預かったコゼットを幸せにすることだけを生きがいにしたバルジャンと、自分の正義を貫くがゆえにバルジャンだけでなく自分自身をも追いつめて自殺してしまうジャベール。どちらも真面目で不器用で切ないです。
時々、バルジャンとジャベールがこんがらかって、「ん?どっちだ?」って思っちゃいました。だって照明が暗めで遠くからだと顔とか分かりにくいんですもん(笑)
福井さんバルジャンと川口さんジャベールの存在感と迫力ある歌声に圧倒されました。お二人とも素敵なお声です❤(声フェチなの♪)
これとは対照的なのが、どんな卑怯な手を使っても這い上がろうとするテナルディエとマダム・テナルディエ。一応、悪役なんですが、人間臭く愛嬌もあり憎めない。
貧困のさなかでは、ああでもしなきゃ生きていけないというのが、本当のところなんだろうなぁ。
そういう意味ではこの夫婦は一般市民の代表的存在なんでしょうね。
萬谷さんテナルディエの軽妙なせりふ回しと谷口さんマダムのいかにもずるがしこそう感じ。でも二人ともどこかかわいいと感じてしまう部分があり、なかなか面白いコンビです。
ファンテーヌは、テナルディエのように生きるために卑怯な人間になることもできず、周囲の言いなりになるしかない一番弱い立場の人たちの代表なのかな?
バルジャンの生き方を変える重要な人物としてとてもインパクトがありましたが、私自身はいまいちファンテーヌに共感することはできなかった気がします。
知念さんファンテーヌは、芯が強く、ひどい目に合いながらも娘のために必死に頑張る姿が印象的。
コゼットとエポニエールは子供の頃は一緒に過ごしたけど、その後の人生は対照的。コゼットは最終的にマリウスと結婚して幸せになり、エポニエールは親に見捨てられ、孤独感の中で苦しみながらもコゼットに恋してしまった愛するマリウスのために尽くし、最後にはマリウスのコゼットへの手紙を届けた帰りに撃たれて死んでしまう。
青山さんコゼットは、とても包容力がありそうな感じ。笹本さんエポニエールは本当にけなげで抱きしめてあげたくなります。
レミゼを観た女性はコゼットかエポニエールのどちらかに感情移入する人が多いらしいのですが、私はどちらにも感情移入することはなく観終わっちゃいました。
私もそろそろパートナーが欲しいと思いつつ、気持ちはぜんぜん恋愛の方へ向かって行ってないということかしら?アラフォーなのにこんなんでいいのか、私!?
恋と仲間の間で揺れるマリウスと革命へとまっすぐ突き進んでいくアンジョルラス。どちらも好青年です。
そういえば、2幕の戦いの場面で、アンジョルラスが仲間たちを差し置いて真っ先に撃たれて死んでしまうのはどうなの?って思った。ここだけなんだかすごく違和感。学生たちのリーダーなんだからせめて場面の中盤まではいてほしいなぁ(^^;
マリウスの気持ちは共感できなくもないけど、アンジョルラスの方がかっこいいと思った私の心は、やっぱり恋より仕事になってるんだろうな・・・ってこんな分析をしてしまうのは職業病かしら?(笑)
カウンセラーはクライアントと向き合うと同時に自分とも向き合っていないとできない仕事だからねぇ。
あ、話がそれちゃいましたね。
山崎くんマリウスは恋と仲間の間で揺れる気持ちをとても丁寧に演じていたと思います。マリウスの歌のキーはかなり高めですよね。大変だなぁ・・・
杉山くんアンジョルラスはリーダーらしい存在感とまっすぐさが出ていて素敵でした。この人の声も好き♪
アンサンブルの皆さんも、顔を汚していたり暗くてよくわからなかったりして、誰が誰だか分らなかったのですが、それぞれ見せ場があり、個性と存在感がよく出ていたと思います。
ストーリー的には重いし暗いのですが、観た後は元気になれるんですよね。パワーをもらえるというか。
ぜひ、また観たいなぁ。今年はもう行けないので、再演待ってます!