「レ・ミゼラブル」名古屋公演 観劇感想

2022年10月15日

今日は中日劇場へ「レ・ミゼラブル」を観に行ってきました。
日曜日なので、親子連れが結構多かったです。

私のレミゼ名古屋公演の観劇予定は今日を含めて3回。
今シーズンはソワレ(夜公演)には行けないので、全部マチネ(昼公演)です。

今日のマチネは、なんか全体的に皆さん感情表現が激しめだったような気がします。
2013年に初めてレミゼを観て今年は2回帝劇で観ましたが、泣いたのは今日が初めてです。
今まで何も感動しなかったとかそういう意味じゃないですよ?
2013年に初めて観た時はレミゼの壮大な世界観に圧倒されて涙も出ないくらいの衝撃を受け、今年のプレビュー初日ではレミゼファンの方々の熱気と興奮が渦巻く雰囲気に圧倒され、2回目に帝劇で観た時は原作を読み終わった直後で今度は逆にやたら冷静に観てて、今回やっと落ち着いて作品を感じることができたのかも

そうそう、今日は2階席のセンターから観てたんですけど、舞台全体が観られるから舞台のセットとか背景とか照明の使い方とか、改めてそういったものの美しさを観ることができました。
ジャン・バルジャンの独白の場面やエポニーヌがソロで歌う場面では、歌がクライマックスに近づくにつ入れて光もだんだん強くなっていって、最後はまるでジャン・バルジャンやエポニーヌの足元から光が出ているように見えるんです。スポットライトがあんなふうに見えるなんて、ちょっと不思議。

さて、今日のプリシンバルキャストは、ジャン・バルジャン役・福井晶一さん、ジャベール役・吉原光夫さん、ファンテーヌ役・知念里奈さん、エポニーヌ役・平野綾さん、マリウス役・海宝直人さん、コゼット役・若井久美子さん、テナルディエ役・KENTAROさん、マダム・テナルディエ役・谷口ゆうなさん、アンジョルラス役・上山竜治さんでした。

さて、この作品は今季3回目なので、役替わりを中心に私が覚えている範囲で出演者一人一人の感想を書いていこうと思います。

ジャン・バルジャン役の福井晶一さん。
とても繊細にジャン・バルジャンの心の動きを表現されていたように思います。
独白の歌の場面も、気持ちを大爆発させるような激しさはなく、ある程度の激しさがありながらも根底には何かを悟ったような静けさを感じました。司教様との出会いの後の「独白」ですもんね。
市長になって以降のバルジャンは、上品さすら感じる佇まい、ファンテーヌやコゼット、マリウスを大きく包み込む包容力が魅力的。

ジャベール役の吉原光夫さん。
吉原さんのジャベールは、自分の信念に従って正義のためにやるべきことを淡々とこなしているだけという感じ。
川口ジャベールほど悩み苦しむでもなく、岸ジャベールほど固くもなく、冷徹なわけでもなく・・・
私の原作を読んだ時のジャベールのイメージにそっくりでした。
ジャン・バルジャンの影響を受けて変わりつつある自分に戸惑い、自分の正義が揺るがされていることに戸惑い、今までにない葛藤の中で、変化への怖れと「変わってなるものか!」というプライドから死を選んだ印象。
吉原ジャベが自殺の前にコートの前ボタンを留めるのは、警官としての最後のプライドじゃないかと感じたので。

ファンテーヌ役の知念里奈さんは、プレ公演の時から大きな変化はなかったように思いますが、より強いファンテーヌになってた気がします。

エポニーヌ役の平野綾さん。
いつも損をしてばかりの不器用な女の子という感じ。どこか危なっかしくて護ってあげたくなるような雰囲気のエポニーヌです。
それゆえに「On My Own」が余計に切なく響きますね。

マリウス役の海宝直人さん。
すらりと長身の海宝くんのマリウスは、かっこよく見栄えもいいですね。
1幕でのマリウスは初々しくて、かわいくて、こちらもなんだか少し危なっかしいような印象。
2幕に入ると海宝マリウスは、革命、エポニーヌや友人たちの死、コゼットとの結婚を通じて、だんだん頼もしい男になっていきます。
海宝くんのマリウスは、悩みながら成長していく様子が一番分かりやすかったかも。

コゼット役の若井久美子さん。
若井コゼットはプレ公演から、かわいらしさはそのままに、さらに芯のしっかりしたコゼットにパワーアップしてました。

テナルディエ役のKENTAROさん。
軽妙で陽気でずるがしこいテナルディエという印象。
なんかこういう悪役キャラって、どっかで見たような・・・(笑)
この軽さが、重くなりがちな作品の中でいいスパイスになっていた気がします。

マダム・テナルディエ役の谷口ゆうなさん。
先月に帝劇で観た時から、凄味が増してたような。というよりKENNTAROテナルディエの軽妙さが凄味を引き立ててたのか?
よく分からないけど、いかにも強そうなマダム・テナルディエになってました。

アンジョルラス役の上山竜治さん。
他の方の帝劇での感想を見る限り、周囲からリーダーにアンジョルラスって書かれていることが多かったんですけど、今日私が観た時は、しっかり周囲を引っ張っていくリーダーになっていた気がします。
3人のアンジョルラスとの比較で行くと、皆と協力して共に立ち上がる野島アンジョと、強力なカリスマ性をもって皆を引っ張る上原アンジョとの中間に上山アンジョがいる感じかな。
上山くんはアンジョルラス役以外で出ている時には、ちょこちょこと「さすがダンサーだなぁ」と思わせる仕草してたり、実際に踊ってたりも(笑)

リトルコゼット役の陣あいりちゃんは、歌声に透明感があってきれいでした。

ガブローシュ役の北島大輝くんは、目力のある子ですね。すばしっこく街中を走り回ってそうな雰囲気もよく出ています。なかなか演技のうまい子だと思いました。

アンサンブルの皆さんもそれぞれに個性がはっきり出ていて、それぞれの役をしっかり生きていて、本当に目がいくつあっても足りないくらい。
それがレ・ミゼラブルという群集劇の魅力なんですけどね。
「民衆の歌」は毎回、圧巻で鳥肌が立ちます。

お、今日までの観劇で、原田くん・田村くん・海宝くん3人のマリウスと、上原くん・野島くん・上山くん3人のアンジョルラスを制覇しました!
残り2回の観劇で、ジャン・バルジャン、ファンテーヌ、エポニーヌ、テナルディエ、マダム・テナルディエも制覇する予定です。
鎌田ジャベールと磯貝コゼットが観られないから、ジャベールとコゼットは制覇できないなぁ。

ちなみに残り2回は、名古屋公演の前楽と千秋楽です。レミゼMy楽が近いと思うと、なんだか急に寂しくなってきちゃった・・・(^^;