「レ・ミゼラブル」名古屋公演 千秋楽 観劇感想
本当は昨日がMy楽のはずだったんですけど、キャストに関係なく自分の都合のいい日で観劇日を選んだら、ヤン・ジュンモさんのジャン・バルジャンだけ観られないことに気づいてチケットを追加で買っちゃいました。
レミゼ公開稽古の動画のジュンモさんのバルジャンがとても印象に残ってて、どうしても観たかったんです。
結果、期待通りの素晴らしいバルジャンで、追加して観に行った甲斐がありました(*´∀`*)
日本人とは違った役の捉え方で「なるほど、そうくるか」と感心しながら見てました。
ジャン・バルジャンが仮出所したばかりの場面では、自由への希望よりも不安と怯えを前面に出し、市民に虐げられる場面もまるで猫に追い詰められたネズミのようです。
それが事業に成功し市長になった後は、護るべきものができた責任と暗い過去とのはざまで揺れる気持ち、コゼットとの幸せな瞬間をとても分かりやすく表現されています。
そして、ジュンモさんの歌が素晴らしい!
心と揺さぶられるような歌い方。1幕のしょっぱなから涙が出ちゃいました。
また、日本語がまだ上手ではない分、ゆっくり丁寧に伝えようとする努力も伝わってきました。
だから、歌詞もセリフもとても聞き取りやすかったですよ。
バリケードでジャベールを逃がす場面では、ジュンモ・バルジャンは終始慈愛に満ちた哀れみ表情でジャベールを諭すような言い方で、まるで神父様のようでした。
ジュンモさん自身もキリスト教徒だそうですので、こういうところに無宗教の場合が多い日本人との捉え方の差がでるのかなと思いました。私はそれぞれの違いを楽しむのが好きなので、今まで見た3人のバルジャン全部OKです。
哀れみの表情をみせるバルジャンによりジャベールの戸惑いが際立ち、その後ジャベールが自分の信念を見失い自殺に追い込まれることが納得しやすくなっていたように思います。
あ、勢いでジュンモさんの感想を先に書いちゃいました(笑)
ちなみに今日のプリシンバルキャストは、ジャン・バルジャン役のヤン・ジュンモさん、ジャベール役の川口竜也さん、ファンテーヌ役の知念里奈さん、エポニーヌ役の昆夏美さん、マリウス役の原田優一さん、コゼット役の清水彩花さん、テナルディエ役の駒田一さん、マダム・テナルディエ役の森公美子さん、アンジョルラス役の野島直人さんでした。
ジュンモさんのジャン・バルジャンの感想は書いたので、他のキャストの方々の感想も一言ずつくらい書いていこうと思います。
ジャベール役の川口さんは、全体的なイメージは私が帝劇で観た時と大きく変わらないもののジュンモさんの演技に合わせて若干感情表現が大きくなっていたように思います。
ファンテーヌ役の知念さんもイメージは大きく変わりませんが、コゼットへの愛がより深くなっていたように思います。
エポニーヌ役の昆ちゃんは、表面上の明るさや強さと、心情を歌う時とはっきり分けていて、ソロではマリウスに見せるかわいらしい表情とは違う、心の奥の悲しみと怯え、心の叫びを苦悩に満ちた表情と迫力のある声で歌い上げます。
エポニーヌの心の叫びが突き刺さってくるようですね。
マリウス役の原田くんは、コゼットに出会った後の浮かれ様が際立ってますね。だからこそ、後半の戦いか愛かの苦悩の表現が分かりやすいんです。革命で死んだ仲間を偲んで歌う歌は原田くんのが一番好きかな。
コゼット役の清水さんは、初恋の戸惑いとドキドキがよく伝わってきて、かわいらしいです。そしてジャン・バルジャンを父親として心から慕っていることも表情からよく分かります。
テナルディエ役の駒田さんは、本当に軽すぎず重すぎずいい塩梅のテナルディエだなと思います。貧しさの中で卑しくずるがしこくならざるを得なかったんだなというのを感じます。
マダム・テナルディエ役の森公美子さんはプレ公演以来、少し雰囲気が変わっておちゃめさに適度な凄味も加わって、ベテランの貫禄を感じます。
アンジョルラス役の野島くんも帝劇で観て以来ですが、皆を引っ張るというよりは「一緒にやろう」という雰囲気は変わらないものの革命への情熱と仲間を大切にする優しさ、それから冷静さも併せ持つアンジョルラスになってました。
アンサンブルの皆さんも本当によく頑張っていて、群衆のコーラスは迫力満点!
アンサンブルではもったいないと思う人もいたりしたのですが、記憶があいまいなところも多くて責任を持てないので省略しますね。
カーテンコールでは、ジュンモさんがメモを見ながらも日本語で千秋楽のご挨拶をしてくれました(*^-^*)
今年はプリシンバルキャストをジャベールとコゼット以外は全員観ることができました。
はぁ~、今年の私のレミゼ祭りはこれでお終い。なんか寂しいなぁ~・・・
一昨年、観劇になかなか行けなくて「何でもいいから観たい」と思っていた時に、たまたま手に入ったチケットで観に行ったレミゼにこんなに嵌るとは思わなかったなぁ。
この作品に関しては完全に食わず嫌いだったんですよ。なんか内容が重そう・・・っていうイメージだけで避けてたのに、1回観ただけですっかり虜になっちゃった(笑)
出演者が誰かとか知らないまま観て、作品自体に嵌ったのは初めてなんですよね。
それまでは「この人のこの役が見てみたい」という基準で観る作品を選んでたので、レミゼを観て以降は出演者に関係なく「この作品面白そうだから見てみよう」という基準が私の中に新しく加わったんですよ(^^)
さ、私は次回の再演を待ちつつ、他の作品を楽しみますかね。
次の観劇予定は来月だな。「ライムライト」と「サンセット大通り」を観に行きます。