『1789~バスティーユの恋人たち~』帝劇 感想
今日は1789を観に行ってきました。
初演の時以上に熱い舞台になってました!
あと、細かい演出で分かりやすくなってると感じました。
初回の時、唐突に現れたロベスピエールの恋人とかね(笑)
今回は少し前の段階からロベピエの恋人だとなんとなく分かるような演出になってます。
2幕はほぼ群衆たちのダンスが中心になるんだけど、球技場の場面でのクランプは特にかっこいいですよね。
踊ってる皆さんは大変でしょうけど、ホントにかっこいい✨
今日の役替わりは、ロナン:小池徹平さん、オランプ:夢咲ねねさん、マリー・アントワネット:凰稀かなめさん、シャルロット:佐藤芽佳ちゃん、ルイ・ジョセフ:寺崎柚空くんでした。
初演の時は観られなかった小池ロナンやっと観られました(^-^)
それでは、また覚えてる範囲でメインキャストの皆さんそれぞれの感想を書いていこうと思います。
徹平くんのロナンは、素朴で純粋な青年といった雰囲気。徹平くんの小柄で童顔な外見と相まって若々しいロナンです。
ストレートで分かりやすい表現をされているので、初見の方にも伝わりやすいのではないかと思います。
フワフワと軽い印象がありながら、ふと見せる憂いの表情、怒っている時もどこかに冷静さも残している感じがいいですね。
オランプ役のねねちゃんとも声の相性がよく、二人で歌う場面も耳に心地よかったです。
もう一人のロナン役加藤くんは今年まだ観ていないのですが、初演と役作りがあまり変わっていないとすれば、二人のロナンの違いを表現すると小池ロナンは直球、加藤ロナンは変化球って感じですかね。
それぞれ対照的な役作りかもしれない。加藤ロナンは6月の大阪公演で観る予定です。
ねねちゃんのオランプは、忠義に厚い優等生的なイメージ。だけどどこか抜けてる感じがかわいらしい。
自分のせいでロナンが捕まってしまう場面では、まさかロナンが逮捕までされるとは思ってなくて「え、ウソ!どうしよう、こんなはずじゃなかったのに」と思っているのが初演の時より分かりやすく伝わってきました。
ちょっと硬派なオランプをロナンがふんわり包み込んでる感じで、徹平くんのロナンとねねちゃんのオランプの組み合わせ結構好きかも。
かなめさんのマリー・アントワネットは、多少所作に雑な部分があるものの美しいアントワネットで、歌も初演時よりも良くなっているように思います。
窮屈な王宮内でのストレスから欲望におぼれていた場面からだんだん王妃としての自覚に目覚めていく流れがよく表現されていて、覚悟が決まった後の表情がとても良かったです。
三浦涼介くんのロベスピエールは、いかにも革命に燃える熱い男という雰囲気。
彼の熱さが作品全体の熱量をさらに上げているようにも感じ、デムーランがロベピエに言う「君こそリーダー」というセリフがしっくりきました。
フランス人形のような端正な顔立ちとキレッキレのダンスでかっこよく色気を振りまいてます。
歌は・・・特に高音がきつそうですね。それでも彼なりにうまく対処しているようですね。
なぜか、ふと三浦ロベピエが仮面ライダー的なものに見えた瞬間があったんだけど、調べたら過去に仮面ライダーに出てたことがあるのね(笑)
上原理生くんのダントンは、酒好きの明朗快活な男。
この作品では丸々1曲ソロというのもなく見せ場は少ないけれど、持ち前の個性で強烈な印象を残して行きます。
だから、演出家の小池さんはダントン役に上原くんを当てたんだろうな。大きな見せ場がなくてもしっかり存在感を出せる人ですからね。
ただ、今回に限らず猫背気味なのがちょっと気になる。猫背をなおせばもっと格好よくなると思う。
歌は得意なれどこの作品に出るまではダンスはほとんど踊ったことがなかった上原くん、初演時は踊っている時の必死さが伝わってきてましたけど、今回は余裕が出てきたようで初演より断然良くなっていました。 すばらしい(^^♪
パレ・ロワイヤルの場面でいちゃつくデムーランとリュシルに「んなぁ〜〜!!!」ってなってるところしっかり観ちゃった(o^^o)ふふっ♪ しかもなんかアドリブ増えてたし(笑)
渡辺大輔くんのデムーランは、情に熱い秀才というイメージ。
初演の時よりも余計な力が抜けたように思います。 さらに堂々として見え、ロベピエの補佐役のような存在に感じました。
ロナンを友人として本当に大切に思っていること、恋人のリシュルをとても愛していることもしっかり伝わってきます。
ソニンちゃんのソレーヌは、雑草のような強さを持ったパワフルな女性。
出番自体はそれほど多くないけど、パワーが必要なかなり難しい役をしっかりこなしていて本当にすごいと思います。
ソレーヌが出て来ない間の時間の経過も自然と想像させる演技力に脱帽。違和感がないんですよね。
そしてパン屋襲撃の場面のナンバーはやっぱりかっこいい!
吉野圭吾さんのアルトワは、妖しい魅力を放つ野心家なれど、どこかチャーミングで憎めない。
この作品の中では敵役ながら結構面白い存在だと思います。
このアルトワの役は吉野さん以外に考えられない程、しっかりキャラクターとして出来上がってますよね(^^)
坂元健児さんのラマールは、お茶目さが増してました。初演の時より催眠術でぶっ倒れる回数が増えてるし(笑)
オランプのこと大好きでなんとかアルトワから護ろうとするのが健気ですが、観ている方には可笑しい。
今日の客席いじりは「この骸骨は生前はイケメンがたくさん出るミュージカルと聞いて観に来たら、最前列でおっさんにいじられて恥ずかしがってたに違いない。あ、骸骨がうなずいてる!怖い、怖い・・・」みたいな感じでした(笑)
広瀬友祐くんのフェルゼンは、初演の時よりもしっかり存在感が出ていて良かったです。
この作品ではフェルゼンの出番は少なく扱いもどちらかというと雑な感じになってしまっているので、どれだけ存在感を出せるかが勝負かもしれません。
その点、今回の広瀬フェルゼンはアントワネットへの狂おしいまでの愛をしっかり表現することで一貫性を持たせ、存在感を出すことに成功していると思います。マント捌きも殺陣もカッコいいです♪
そういえば、王妃からの手紙をオランプから受け取るために教会に来てロナンに助けられる場面で、ロナンに「かたじけない」と言った後、去り際さらにロナンの手を握って「あっ、え?え?」と戸惑うロナンに礼を述べていて、平民にも礼儀正しい紳士なフェルゼンになってました(´艸`)
岡幸二郎さんのペイロールは、王宮内で強硬派で冷酷な、分かりやすい敵役です。
憎まれ役ですが色気があるし、鞭捌きもビシッときまってカッコいい!
増澤ノゾムさんのルイ16世は、心優しくチャーミングな国王陛下。
国民のことを愛していて手荒なことはしたくないと思っているけど、強硬派の声にかき消されて国王の思いは国民まで届かない。それがもどかしく切ないです。
革命で王家はもうダメかもしれないという状況の中で、アントワネットに「オーストリアへ帰るか?」と聞き「いいえ、私は最後まで陛下と共に」という返事をもらって「そうか、そうか」とうれしそうなのがまた切なくて泣けます。この作品で唯一泣いた場面かもしれない・・・
磯部勉さんのネッケル。
ルイ16世が絶大な信頼を置くスイスの銀行家で、なんとか平民との話し合いの場を設けて革命が起きないように奔走し進言するも、強硬派から排除され虚しく王宮を去っていきます。
国王にとっては唯一自分を理解して働いてくれる人物なだけに、ネッケルを解雇せざるを得なくなった国王の表情と、ネッケルの去り際の悔しさと虚しさと哀しみがにじむ後ろ姿が何とも言えません。
渚あきさんのポリニャック夫人は、王妃の味方のような顔をしてアントワネットとフェルゼンの恋路をただ面白がっているような雰囲気。王妃がフェルゼンと別れることを決断した時のつまらなそうな顔が印象的です。
なので、革命のさなかに王宮から去る時のあっさりした別れ方も納得がいきます。
宝塚時代からお芝居の上手い娘役さんだったので、安心して観ていられます(^^)
全員の感想を書けたらいいんですけど、ちょっと記憶が怪しくなってきたのでこの辺で・・・
この時代、フランス革命には成功したものの、その後革命家たちは決裂し、平民たちにとっては生活が大きく変わることもなく苦難は続くので、革命の一瞬の輝きを切り取り、ノリの良いロックに乗せて躍動感たっぷりパワフルな作品に仕上がっています。
アンサンブルの皆さんダンスのレベルが高くて、平民たちのエネルギッシュな群舞は圧巻。 観応えのある作品だと思います。
6月にまた大阪公演を観に行く予定なので、役替わりも楽しみです♪
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