「グランドホテル」GREENチーム 名古屋公演 観劇感想
今日は「グランドホテル」のGREENチームを観てきました。
上演中の休憩時間はなく、2時間ほどの公演です。
REDチームはハッピーエンド、GREENチームはバットエンドと結末が全然違うそうですが、今回はGREENチーム。
ストーリーは意外とわかりやすかったですよ。
美しい舞台セットに1920年代のおしゃれな衣装、華やかな雰囲気がありつつ、ヒットラーの演説がラジオから流れていたりして終始不安定で危うい空気が流れているような印象。
最後は戦争の足音が聞こえてきて、ホテルスタッフが客を裏切るという悲劇へつながっていくのですが、その中での唯一の希望として、ホテルのアシスタントコンシェルジュのエリックの子の誕生が描かれています。
群像劇なので特に誰が主役と言うわけでもなく、いろんな目線で見ることができますね。
きっと観れば観るほど味が出てくるスルメのような作品なのかも。残念ながら私は1回観られませんが(^^;
ここからはメインキャストそれぞれの感想を少しずつ書いてみますが、登場人物ほぼ全員が主役になり得る作品なので、目がいくつあっても足りない(^^; なので、覚えている範囲で・・・
中川晃教さんのオットー。病気で余命いくばくもない元会計士。
体形に合わないダボダボのジャケットを着た野暮った田舎者といった感じで、ヨロヨロしながらも都会に出てきて高級ホテルに泊まることができて浮かれていて、ちょっとかわいらしいオットーですが、同時に「自分はもう先は長くない」という思いからくる哀愁のようなものも漂わせています。
中川くんは初めて舞台で観ましたが、歌もお芝居も安定していて安心感がありますね(^^)
宮原浩暢さんのガイゲルン男爵は、立ち姿も美しく品があり、貴族らしい雰囲気が出ていました。
ミュージカル出演が初めてとは思えない堂々とした演技。ダンスも初めてだそうですが、優雅に踊られてましたよ。
歌はもうさすがです。グルシンスカヤへの愛を歌うシーンでは、宮原さんの柔らかい歌声が切なく響き、鳥肌が立ちました!
安寿ミラさんのグルシンスカヤ。世界的なバレエダンサーだけど、年を取って思うように体も動かず、客も入らなくなってきているのに舞台に立たち続けなければならない辛さと悲しみがよく伝わってきて切なくなります。
年の離れた若くてハンサムな男爵と恋に落ちた時の、戸惑いとキラキラ感がとてもかわいらしい。
恋に臆病になってしまっているところは、すごく共感してしまいました(笑)
樹里咲穂さんのラファエラ。グルシンスカヤを崇拝する付き人。
グルシンスカヤを心から愛し崇拝しているのが、ちょっといびつな形で出ている感じ。グルシンスカヤのガウンを抱いて、その思いを歌っている時は少し狂気のようなものも感じます。
グルシンスカヤの部屋で男爵の上着を見つけた時の顔がちょっと怖い(^^;
戸井勝海さんのプライジング。傾きかけた会社の社長。
最初は家族に優しい子煩悩な社長だったのが、会社の立て直しがうまくいかずに、どんどん追いつめられて壊れていく様子が怖いです。どんどん怖い人になっていきます
昆夏美さんのフレムシェン。ハリウッドスターを夢見る若いタイピスト。
前半では世間知らずの夢見る女の子な感じ。とってもかわいらしいです(^-^)
お腹の子どものためにお金のありそうな男をつかまえて利用しようと企てるも、痛い目に合って絶望。最後にはオットーの愛に触れて変わっていく様子がいいですねぇ。
藤岡正明さんのエリック。ホテルのアシスタント・コンシェルジュ。
妻の出産が長引いていて心配しているが、愛する妻の元に駆けつけることもできず、終始落ち着かないエリックの焦りがよく伝わってきます。最終的に無事子どもが生まれ、安堵と喜びと不安が入り混じった表情がとても良かったです。
歌声もよく伸びて心地よく響きました(^^)
ジミーズの味方良介さんと木内健人さんの、不穏な空気を打ち破るような明るい歌とダンスもかっこよかったですね。
ん~、思い出せるのはこれくらいかな~・・・
全員の感想はやっぱり書けないもんですねぇ。
この作品に限らずですが、感想が思い浮かばず書かいてない人でも観てるときには「お!」と思う部分があったりするんですけど、時間が立つと忘れちゃうのよ(^^;
GREENチームは内容的には重いですけど、エリックの子どもの存在がわずかな希望の光となっていて、全く救いがないわけじゃないんですよね。
全く違うというREDチームも観たかったんですけど、どうしても日程が合わず観に行けません。両方観たかったなぁ!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません